様々な段階を経て、インプラントの治療が終了するまでには平均4~9ヶ月かかります。一般的なインプラント治療の過程には次のような段階があります。
治療前の診察
あなたの病歴や心身およびお口の状態を慎重に評価し、インプラント治療が行えるか判断し決定します。
インプラント(人工歯根)の埋入
麻酔下で顎の骨にインプラントを埋入します。数ヵ月後、顎の骨とインプラント表面が結合し、インプラント顎の骨の中に固定されます。その後、粘膜(歯グキ)を整形して、インプラントに人工歯を取り付ける接合面を確保します。この処置を二次手術といいます。
インプラント上部構造(人工歯)の製作と取り付け
人工歯を製作するための型とり(印象採得)を行います。天然歯のような自然な形態と機能を持った人工歯が製作されて、インプラントに装着・固定されます。
正しいメンテナンス
歯科医(担当医)及び衛生士が、継続的にインプラントの正しいお手入れとメンテナンスについて指導します。優れた材質と機能を持つインプラントは、正しいメンテナンスと定期点検により、一生涯あなたの充実した人生をお手伝いすることが可能になります。
よくあるご質問
- インプラント手術は痛いですか? 腫れますか?
- インプラント手術は、お口の中だけの十分な局所麻酔をするので、手術中の痛みはありません。抜歯と同じ程度か抜歯よりも痛くないとお考え頂けれは分かりやすいと思います。また、当院では、術後にお出しする痛み止めのお薬など、痛みを軽減する様々な方法を行っております。
- 治療期間はどれくらいかかりますか?
- 2回法の場合、あごの骨に埋め込んだインプラントが周囲の骨と結合するのに、個人差ではありますが上顎で4ヶ月、下顎で3ヶ月かかります。骨とインプラントが結合した後、頭出しの手術を行わない治癒を待つのに約4週間。その後、上部構造が入るまでに状況によりますが1ヶ月位が目安となります。
- 年齢制限はありますか?
- 骨の成長がほぼ終了する最低16歳以上で、医学的・解剖学的に条件がみたされている限り、どなたでもインプラント治療をうけることができます。ただ個人差はありますので、その点をふまえ、CT撮影などで骨格などのしっかりとした術前診査をおこなってから、治療可能か判断するようにしています。
- 以前の自分の歯と同じように噛めますか?
- インプラントは顎の骨に埋め込み、結合され支えられています。このため自分の歯と同じように噛むことができます。入れ歯によくある「ガタつき」もないので、入れ歯よりもしっかりと噛めるようになり不快な思いをすることもなく、入れ歯特有の不自由さから開放されます。
- どのくらいもちますか?寿命はあるのでしょうか?
- インプラント自体はチタン製なので日ごろのお手入れ・メンテナンスをしっかり続ければ半永久的に機能します。逆にお手入れがしっかりできていないと天然歯と同様に歯槽膿漏のような状態になり、インプラント周囲の骨がやせてきてグラグラ動いてしまいます。1970年代にインプラント治療が行われ、今現在40年以上機能しているという報告もあります。
- 金属のネジを入れるということが不安です。大丈夫ですか?
- インプラント体は普通の金属とは違い、「チタン」という人間の身体との親和性が高い金属を使用します。歯科治療以外にも人工関節など数多くの医療現場で使われています。チタンにHA(ハイドロキシアパタイト)をプラズマコーティングしてありますので、骨とくっつく(バイオインテグレーションする)性質をもっております。患者さんのアゴの状態に合わせたサイズの小さなものを埋め込んでいきます。親知らずの抜歯よりも侵襲は少ないと言われているほどです。